歌詞


月に吠える

ごみ捨て場にいた小猫は
まだ新しかった
苦悶の表情のまま小猫は
きれいな毛並みを湛えて

足音が遠ざかっていくんだね
ゆっくり奪われていくんだね

微睡む炎のゆらめきを
立ち止まって見ていただけで
ぼくは他に何もしていない
そしてぼくは月に吠える

ごみ捨て場にいた小猫は
何物でもなくて
腐っていくのを待つように
小さな虫たちがたかって

このまま消え去っていくんだね
ゆっくり崩れていくんだね

微睡む炎のゆらめきは
予想よりは悲しくなくて
ぼくはだけど冷や汗をかいて
そしてぼくは月に吠える

微睡む炎のゆらめきを
立ち止まって見ていただけで
ぼくは他に何もしていない
そしてぼくは月に吠える



羽衣 

ある晴れた町並みに
ほこりのにおいがこみあげる
羽衣を身につけて
きみはくるくると踊ってる

なびく袂を きらめかせつつ
時の流れが止まるときみは信じて

照りつける日差しさえ
はねのけるように踊ってる
羽衣を身につけて
きみは飛べる日を待っている

なびく袂を きらめかせつつ
時の流れが止まるときみは信じて

きみを祭り上げる人はいないけど
隣で歌っていようか
きみが飛び立つその日をともに
夢見て歌っていようか

立ち上る土煙
その中心には踊るきみ
羽衣をはためかせ
巻き起こす風を感じてる

なびく袂を きらめかせつつ
時の流れが止まるときみは信じて

きみを祭り上げる人はいないけど
隣で歌っていようか
きみが飛び立つその日をともに
夢見て歌っていようか

なびく袂を きらめかせつつ
時の流れが止まるときみは信じて



後悔 

ぼくの声  消えてゆく
ぼくの声  しおれる
おびえて踊るぼくの瞳を
あなたはきっと蔑むのでしょう
おお  許されぬ夢を見て
遠く魂が消えてく  心地良く

覚えてることはただ
責め止まぬ眼差し
切り取りましょう  ぼくの頭を
投げ捨てましょう  それでいいでしょ?
おお  許されぬ夢を見て
すぐ悔やまれる  おお



つきかげ

遠く消えてゆく 僕のよすが
細るつきかげ 闇のしじま
波の音だけ 僕を奪ってる

つきかげ消えてゆく夜の切岸にて
よすがを探してる 明日を生きるため
つきかげ もう少し照らし続けてくれ
よすがを探してるその時だけでも

深く溶けてゆく 僕のよすが
僕の手の中にあったはずなのに
いつの間にやら どこか消えていた

つきかげ消えてゆく 僕は一人きりで
よすがを探してる 明日が来るまでに
つきかげ もう少し照らし続けてくれ
よすがを探してる僕を見捨てないで

よすががもしただの幻だったのなら
つきかげ 暖かく僕を照らしてよ



不毛

そしてぼくは不毛の旅路を行くよ
ぼくの胸が招く旅路を行くよ
そしてぼくは不毛の旅路を行くよ
それをきみが不毛と呼ぶのなれば

陽のあたる世界には死臭が漂う
だから不毛と呼ばれる土地がぼくを呼んでる

旅立つぼくの背中を見送る蔑みの目に
今更たじろぐとでも思ってるのか

たとえ一人きりの不毛な道としても
ぼくは好きな歌を穏やかに歌うだろう
いつか時が来たらきみと手を叩いて
同じ歌うたって微笑みたいね

吹き来る風はもう暖かい
静かに別れを告げよう

そしてぼくは不毛の旅路を行くよ
それをきみが不毛と呼ぶのなれば

変わり果てた世界では生きていけない
むしろ不毛と呼ばれる土地がぼくを呼んでる

時々思ってみることは 不毛な世界の中で
足を踏み鳴らして 打ち騒ぐ夢

祈りに似た優しい穏やかなメロディー
誰のためでもなく奏で続けるだろう
いつか時が来たらきみと手を叩いて
同じ歌うたって微笑みたいね

旅立つ時はもう逃さない
静かに別れを告げよう



雲居

朝から晩まで  言葉に埋もれて
裏の意図なんて気にしたりもして
おどけた迷子と  おびえた猛獣
風船片手に未来を憂える

今でも時々思い出すことは
空を飛び回る遥かな前世
今でも時々思い出すことは
調子に乗ってて墜落炎上

きっといつかその日が来て
地の底へと連れ去る
あの手この手魔の手
僕をひきずり込む引力

飛んでいきたいな  雲居の果てまで
飛んでいきたいな  そっと忍んで

胸の奥で膨らんでる
きみと僕と風船
どこに行くか惑っている
行き場の無い風船

飛んでいきたいな  現し世見下ろし
飛んでいきたいな  一緒に行こうか

 

宝物 

きっといつも夢を見ている
きみはいつもおなか空かせて
灰色の夢を見ている
人知れずに寝汗をかいて

やっと目覚めた朝
でもすぐ夜が来るよ
そんなに疲れたなら
またすぐ寝ればいいよ

きみはいつも窓を眺めて
きみはいつもつぶやいている
空の色を塗り替えるため
冒険の旅に出るって

気に病むばかりのきみ
背骨が朽ちていくよ
そんなに疲れたなら
またすぐ寝ればいいよ

白く霞むビルの先に
落ちて消えた影の鳴き声

拾い集めてきたきみの宝物は
命をかけて守るべきものなのか
高く積み上げてるきみの宝物は
きみの心を満たしたとでも言うのか

そんなに疲れているなら
もう一度寝ればいいでしょ
今度こそは悪夢じゃなくて
優しい夢を見たいね